朝、私はいつものように目覚まし時計を止めた。
目覚めはいつものように最悪。

おかげで、今朝も何十台目かの目覚まし時計君と別れを告げた。

原因は、こうだ。
寝ぼけた頭で"誘導"を使い、見事に失敗して目覚まし時計が壁に 大激突! 100点!!

・・・以前よりマシだよな。
ガラスが割れ、見るも無残な姿と化した時計を見ながら思った。

そう、以前は動かした方向がいつも悪かった。
一番酷かったのは、あまりにもうるさい目覚まし時計の時で、「うるせー!!」と叫びながら思いっきりどこかの方向へ"誘導"させた。
窓ガラスの「ガッシャーン!」という音と、地上へ落下した時計の無残な音がベッドにまで聞こえた。
当時は同じマンションの人から「どうしたの!?」って、やっちゃうたびに心配されてたなぁ。

今は、もうそんなのもないけど。






「おはようございます。 今朝もいい音がしましたね。」


ドアの方から、店長さんの声がした。

ああ、ぼんやりとベッドの中で思い出に浸っていたから、いつの間に部屋に入ってきたのかわからなかった。
目覚まし時計が鳴ってから、ずいぶん時間がたった気がする・・・。
とりあえず上半身を上げる。
なんだか少し恥ずかしくなり、ぼさぼさになった髪をくしゃりと掻いた。


「・・・・・・・おはようございます。」

「あははっ、いつものことながら酷いものですね。 朝ごはん、できましたよ。」


そう言って、店長さんは一階へ戻って行った。

大きな欠伸と大きく伸びをする。
窓を見ると、お日様の暖かな光が優しく部屋を照らしていた。

起きないと、なぁ。


そうして、ようやく私はベッドから出た。






今日も、また一日が始まる。